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心理学を“仕組み”に活用するー“普通”を疑う視点を大事に。


仕事の現場では、「多数決で決める」「自信のある人に任せる」「成果には報酬を与える」といった“普通のやり方”が採用されることが多い。合理的に見えるし、誰もが納得しやすい。だが、心理学の視点から見ると、それらは必ずしも正解ではないことがわかる。むしろ、「人の心の癖」によって、効果が180°変わる。

心理学を“仕組み”に活用するとは、人間の二面性や個性を前提にした設計をするということ。そうすれば、マネジメントはより機能すると考えている。


1. 会議の仕組み

  • 多数決が最適解を生むとは限らない → 流されやすい人にとっては「間違った結論に巻き込まれる場」になる。

  • 多様な意見は集合知になる → それぞれが独立に考えられる環境なら「誤差が打ち消し合って真実に近づく」。

👉 実は、同じ“平均化”でも、同調が強いとマイナス、多様性があるとプラスに働く。前者は「個」を発揮しないから。後者は「個」を発揮するから。平均の取り方が違う。


2. リーダーシップの仕組み

  • 自信は暴走を生むことがある → 表現が得意な人ほど「できるように見える」ため、実力以上に評価されやすい。

  • 自信は力にもなる → 本当に経験を積んだ人の確信は、周囲を安心させ前に進める力になる。

👉 自信の有無ではなく、自信の質を見極める必要があり、これは見え方とか見せ方は一旦外して、本当にその質に向き合わないと不幸が生まれる。


3. 制度設計の仕組み

  • 失敗は諦めを生む → ミスを責められる制度は「どうせダメだ」と無力感を強めてしまう。

  • 失敗は成長を生む → 振り返りを組み込む仕組みがあれば、失敗が改善の種になる。

👉 本来は個人が自律的に行うことだと思うが、「失敗をなくす」制度を作るコストと失敗を学びに変える設計にするコストで考えると、断然後者の方が望ましい。その結果、「失敗が起きない設計」を自分で見つけるのが良い。


4. インセンティブの仕組み

  • 報酬はやる気を削ぐこともある → 自分のこだわりで動く人にとっては「ご褒美が目的化」すると逆に冷める。

  • 報酬は行動を後押しする → 明確な目標を持つ人にとっては、報酬が「続ける力」になる。

👉 報酬制度は一律ではなく、個性によって作用が違うと理解することが前提になる。多様な働き方は何も仕事の場所やスタイルの話ではなく、働くことの意味や意義をどこに持つか?ということでもある。そうなると報酬制度を一律にする方に無理がある。


5. 情報共有の仕組み

  • 情報が多すぎると動けなくなる → 慎重で完璧主義な人にとっては「選択肢が増えすぎて決められない」。

  • 情報があると安心して動ける → 判断が早い人にとっては「材料が揃っているほど即決できる」。

👉 情報共有は「量」の大小は、どちらでも正解にも不正解にもなる。情報少なくしても選んだ情報がイマイチなら慎重で完璧主義なのに不正解を選ぶという不幸を招くこともある。逆に、ロジカルに組み立てられれば材料の量は確度を高めることに貢献する。人のタイプに合わせたバランスが大事だが、質の良し悪しの判断がカギ。

6. 直感の仕組み

  • 直感は誤解を生む → 未経験の分野で即断する人は「思い込み」に流されやすい。

  • 直感は熟練の武器になる → 経験豊富な人は「感覚的に」正しい判断を下しやすい。

👉 直感を「禁止する」か「活かす」かは、その人の経験値によって違うが、経験の質にも多様性がないと、初心者の柔軟な発想に負けてしまうこともある。量によって質を高める職人的なことでもない限り、経験の「豊富」さと「長さ」は無関係と思う。



“普通のやり方”は一見合理的に見えるが、人の心の二面性や個性を踏まえると、必ずしも万能ではない。多数決、自信、失敗、報酬、情報、直感──どれも「状況」と「人のタイプ」によって正解と不正解が入れ替わるのが興味深い。


大切なのは、仕組みを一度疑ってみることではないだろうか。その上で「どのような条件を整えればプラスに作用するか」を考えるのが、マネジメントだと思う。心理学を“仕組み”に活用することで、人を操作することではなく、人の癖を前提に環境を整えることが可能となる。多様な働き方の中で、組織も人も無理なく力を発揮できるマネジメントを考えていきたい。

 
 
 

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