先週末は、スポーツランドSUGOで開催されたアジアロードレース選手権に出場中の宇井さんのチーム、ONE FOR ALL所属のアーサーこと、上江洲葵選手の取材に行ってきた。アンダーボーン150というカテゴリーでフル参戦する16歳。全日本でも同じく宇井さんのチーム41 planningからJ-GP3で出場中だ。
アジアロードレース選手権についての2018年の解説。
現在は、ASB1000(日本で言えばST1000クラスのレギュレーションに近い)、また今年からはTVSのワンメイクレースも開催されている。
これは、このアジアロードレース選手権をメディア視点で考えたメモ。
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【メディア】
この大会は、1レースでだいたい延で4000万人くらいが見るらしい。
衛星テレビ、地上波、YouTube、Facebookなど。それらを合わせると4000万人にも上らしい。
・アジア圏からライダーが参加しているので、各国への放送という点では分母が多い。加えて、プラットフォームを増やすことでさらにリーチ先が増えることになる。各国のファンやユーザを一つの市場として膨らませ、さらに、リーチできるメディアを増やすことでユーザも増えるという構図。
・日本のレースは参戦しているライダーは日本国内が主、メディアとしてはYouTubeと契約者しか見れない放送ということで、国内のファンを最大分母にしつつ、オンライン動画の市場の中でリアルタイムで見れる人だけがリアルタイムでみているという状況。バイクレースでも4〜5千人くらい。
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【映像のクオリティ】
・アジア選手権は、映像のクオリティが良い。SUGOサーキットでは、あちこちにケーブルが回されていて、いつも使っているカメラだけでじゃないカメラを使っていたのは明らかだった。コース上のライダーをずっと追いかけられるようになっているだけでなく、オンボードの映像が入ってきたり、グラフィックもしっかり作ってる。TriCasterを使っているのかも。NDI接続したカメラを切り替えているのかしらと思ったり。
・日本国内の場合は、有人のビデオカメラが各コーナーに設置されているが、人がついていないことも多い。なんとなく、全体の雰囲気を映している印象。
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【雰囲気】
レース全体がゆるい雰囲気で、とにかく笛を吹かれることがなかった。メディア申請時、サーキットは危険です、何かあるかもしれませんよ、それでも取材しますか?という誓約書を書くのだが、それにサインした以上は気を付ける。
・メカニックもビーチサンダルに短パン。防火服を着るメディアはゼロ。皆が動きやすい格好していて、とにかくラフな印象。
・日本国内のレースに限らず、日本は本来であれば必要のないことを、万に一つの可能性を元にがんじがらめにしていることが多い。職場の張り紙、無意味な周知、仕事した気になる管理職。レースにおいても同じ。結果、出来ないことばかりを作ることになる。自分の子供に言ってみてください「万に一つの可能性を理由にして、出来ないことを作ることを仕事にしているんだよ」。競争のない世界の進化と変化は成長する前に転換を繰り返すだけで、ものすごく非効率な投資をしているように見える。
日本国内のレースよりもアジアのレースの方が世界に通じている気がする。